夏の季語に「柿若葉」があるように、柿の若葉が美しい季節。
初夏の日差しを照り返す葉も、こぬか雨に打たれる若葉もまたいい。
こうした季節ごとの色彩や自然界の物音は、山仕事の疲れを癒してくれる。
今朝は夏鳥のアカショウビンの鳴き声が森のなかから今年初めて聴こえてきた。
アカショウビンは羽の色が赤く、水辺に映る自分の姿に驚き水を飲めないらしい。
別名の「水恋鳥」は、いつも喉が渇いているから「水が恋しい 水が恋しい」と
鳴きながら飛ぶからだとか。
事実は違うが、いにしえ人(びと)たちはそんなことを想像しながら、日々の
暮らしに味付けをして自然と関わってきたのだろう。
キョロロロ キョロロロと尻下がりに物悲しく聴こえてくる鳴き声は、そんな
悲話を知っているからだろうか。
蝶の羽の大きさになれる柿の葉に 降るる雨おと今朝より止まず
by まんさく