僕の住んでいる集落はお猿さんが人の数よりはるかに多いので、畑で作った
野菜は網で囲わない限りすべて略奪される。そのため、人が網のなかに入って
の作業を余儀なくされている。
それはさておき先日のこと、おばあちゃんが道路沿いの畑で作業をしていると、
知らない人が車を止めて、道を尋ねていた。ちょうど漬物用の大根を引き抜く
作業をしていたので、大根を持って身振り手振りで行き先を教えていた。
その時ふと、小林一茶の句が思い浮かんで来ておかしかった。
大根ひき 大根で道を教えけり
そのままの世界ではないか!
この句が詠まれて200年以上経過した今でも、当時と同じ光景が目の前に
ある。
こんなゆるやかな時の流れの中に身を置いている僕は、なんて幸せ者なんだ。
(林業と本文とは多分関係ありません)