昨晩のこと、お風呂に入っているといきなりの停電。
すぐに点くだろうと思っていたが、なかなか点かない。
そのうち浴槽のお湯が段々と減っていくではないか。栓が抜けたかと思い
手探りで確認したが抜けてない。はて?
とにかくお湯を足さなければと思い、蛇口をひねったがお湯が出ない。
そうか停電だから給湯器が動かないのだ。
で、これから本題に入るが、お湯が漏れていたのは浴槽だった。
かれこれ15年ほど前に作ったヒノキ製なので、底板の部分が一部腐っていた
のだ。とにかくなんらかの応急処置をしないと今夜から使えない。
そこで、はたと思いついたのが「コウヤマキ(高野槙)」の皮。
川漁師は、船底の継ぎ目やヒビ割れから水が入って来た時のためにコウヤマキ
の皮を用意している。水分を含むと繊維質が膨張して穴を塞ぐのだ。それを
竹べらで割れ目に押し込む。子供のころ四万十川で川船に乗って漁をしていた
のが今に生きた。
幸いコウヤマキを庭に植えているので、さっそく皮を頂いて浴槽の腐りに詰めた。
さすがに昔の人の知恵はたいしたもの、まったく漏らない。
物をすぐに買えない田舎で暮らすには、こうした知恵は必要不可欠。
いつの頃だったか「ジャングルの少年」を読み終えたとき、まさに僕ではないかと
思ったほど生きざまが似ていた。僕も山や川で子供時代をほとんど過ごしたので、
大人の見よう見まねで、大抵のものは直したり作ったりできた。
お陰で今は、存分に周りの自然を活用して僕なりの人生を過ごすことが出来る。
随分回りくどく書いたが、端的に言えば「勉強なんか出来なくてもよかったんだ」
と言いたかったのだよ。