台風が遠ざかった午後、ヒキガエルがベランダに現れた。
カメラを向けたら赤い舌を出してアカンベェをされた。
飼っているわけでもないが、部屋の明かりに飛んでくるガや昆虫を
狙って、ここに棲み着いているようだ。
愛嬌のある目がなんとも可愛いが、お腹にはフグと同じ猛毒があり、
いじめたりすると耳の付近から液体が出る。この液体に触ってうっ
かり目をこすると、失明することもあるらしい。
体のイボイボを見ると、積極的に触りたいとは思わないけどね。
このヒキガエル、下草刈りをしていると時々ではあるが足元にいて
ビックリすることがある。動きが遅いので、マムシに気配が似て
いるからだ。
それでもこうした生き物が棲んでいるということは、生態系がしっ
かりしている証。見かけると安心できるし嬉しくなる。
おっと、ガマガエルと言えば「ガマの油」。
大事なことを忘れるところだった。
ガマの油は、木箱の内面に鏡を取り付け、自分の姿に驚いて脂汗を
かいたのを採っていたとのことだが、これは古典落語の話。
かつては本物のガマの分泌物が入っていたらしいが、いつの世でも
乱獲によって個体数が減る。代用として馬油・豚脂・ムカデのゴマ油
漬け・南蛮渡来の妙薬などを混ぜていたようだ。
ちなみに舌は10センチほど伸びて、カメレオンのように獲物を捕まえる。