草花に関心があると、記憶を辿るときに役に立つことがある。
子供のころ野山を一人で遊びまわっていたが、記憶の片隅に赤い花や紫の花が
咲いていたのが残っている。
今にして思うと咲いていた場所、草丈などから赤はヒガンバナ、紫はシュウメイ
ギクだったことが何となく分かる。
物心ついた頃から草花に関心があったのか、花好きだった母の影響なのか、母亡き
今となっては知る由もない。
故郷に帰ったとき、子供のころ遊んだ場所が無性に懐かしくなり、同じ道をなぞ
るように歩いてみたりする。
当時と違って木も大きくなり、草木の生育環境は大きく異なっているが、半世紀
以上経っていても咲き継いでいる草花も残っていたりして、記憶とシンクロして
当時の僕が蘇ってくる。
暑さのピークも過ぎ、朝晩肌寒く感じるようになった。
これからの季節、何か楽しいことが待っていそうな気がする。