下草刈りをしていたら、ブドウの仲間のサンカクヅル(三角蔓)の実が熟していた。
ヤマブドウより一ヵ月ほど熟す時期が早い。
ちょうど喉が渇いていたので、作業を15分ほど中断してその間ひたすら手でもいで食べた。
近くに同僚もいたので、誘って一緒に食べた。二人とも、もう山猿にしか見えない。
果汁で唇が紫になっていたのか、お昼になって合流した妻が「どうした?唇の色が悪いけど
気分でも悪い?」と聞いてきたので、「うん、ちょっと」と言って嘘をついた。
男はいくつになっても構ってもらえると嬉しいのだ。
どんな実でもそうだが、本来は霜が降りる頃が甘くておいしくなるが、それまでに小鳥や森の
動物たちに先を越され、一粒残らず食べてしまう。だから先手を打つのだ。
これからの時期、アケビ・ヤマグリ・サルナシ・ナツハゼ・アキグミなどの木の実が熟れる。
山の仕事は楽ではないが、木の実に出会うとしばし楽園に変わる。