日の暮れが早くなった。
仕事から帰ってくる道中も暗くなり、残照に陰を落とした山の端だけが
ダム湖にかろうじて浮かんでいる。
助手席の妻と「帰り道は遠いねとか、今夜のおかずは何にしよう」とか
たわいない会話をしながら、一日の疲れと運転の疲れで眠たくなったのを、
なんとか妨げている。
今日は土曜日。
季節外れの台風くずれが四国の上空を通過中で、夜半からの雨が屋根を叩い
ている。時おり風が混じると、色づき始めた柿の葉がハラリハラリと音を
たてながらベランダや屋根の上に落ちてくる。
こうした平易な日常でも、時にはしんどいと思うこともあるが、時が経てば
「あの頃は幸せだった」と思うに違いない。
ブログを書いている僕の片傍(かたえ)で妻は、気持ちよさそうに炬燵で
寝息をたてている。