作業道開設に思うこと

再造林は儲かる仕事ではない。

唯一、儲かると言えば「くたびれもうけ」だろうか。

 

高知県は急傾斜地が多く、再造林作業全般において機械化を進めることは

難しい。とは言え、労働環境は大きく変わった。

100年前の造林と比較して機械化されたのは、下草刈りの際の柄の長い

鎌から草刈り機に変わったこと、苗や防獣用ネット資材を背負って運んで

いたのを、大型ドロ-ンで運搬できるようにもなった。

 

機械化以外でも便利になったのは作業道が現場近くまで延び、歩く労力と

時間が短縮され、精神的負担も減った。

 ただ作業道は、木材運搬車両(フォワ-ダ)専用なのでアバウトに作られ

ていることが多く、勾配がきつかったり斜面が崩れたり、溢れた雨水で

道が深く掘れたり、草木が繁茂したりするので常時軽トラでの通行は難し

くなる。大抵は大雨が降ると使えなくなる。

一度限りの木材搬出に重きを置いた作業道への補助金の出し方に違和感を

覚えてしまう。

今後、造林作業者は地拵え・植え付け・防獣ネット張り・下草刈り・除伐・

間伐などと、数十年間は作業道を使いたいのだから。

                          縦横無尽に作られた作業道