悩ましい季節

ヤマブキの花が現場に通う斜面に咲いていた。

名前の由来は「山振り」で、枝が細長くわずかな風でも揺れることから

付けられた。

小判の輝きも「山吹色」と言われるが、花の方も負けず劣らず美しい。

 

   ヤマブキを解説する上で必ず出てくるのが次の歌

   七重八重 花は咲けどもヤマブキの 実のひとつだになきぞ悲しき

この歌は後拾遺和歌集に載っていて、醍醐天皇の皇子「兼明親王」が詠んだ

もの。

江戸城を築城した太田道灌の逸話にもヤマブキが出てくる。

詳しく書いていると、三日も四日もかかるので、ひとまず話はここまで。

 

これからの季節、山肌や足元に次々と花が咲く。見つけるたび見入って

しまうので、仕事がはかどらなくなる。花好きには悩ましい季節だ。