旅離の思い

夏鳥たちが暖かい南の国へ旅立つ季節になった。

入れ替わりにシベリア方面から冬鳥がやってくる。

 

子供のころから渡り鳥に憧れていて、渡りの群れを見ると一緒について行きた

かったものだ。

 

歌人の吉井勇も「旅離のおもひに骨も痩せける」と綴り、島崎藤村もまた「椰子

の実」の詩の中に「実をとりて胸にあつれば 新たなり旅離の憂い」との思いが

書かれている。

 

 あぁ旅に出たいとつぶやいたら、カミさんに「子供のようなことは言わん

とって」とあっさり言われた。

この歳になると、秋は哀しくもありむなしい季節でもあるのだ。

 

(本文と写真とは、林業と何ら関係ありません)