春の嵐

 

「春はライオンのようにやってきて、仔羊のように去っていく」とは

イギリスのことわざ。

今日は風も強くアラレも雨も降った。まさにライオンが暴れまくった

ような一日だった。

 

それでも庭さきの枝垂梅は、数枚の花びらしか飛ばさず耐えていた。

花はか弱いものの象徴のように例えられるが、散る時期が来なければ

かなりの雨風に耐えることができる。

不幸にして花びらが散って昆虫に目立たなくなり受粉出来なくても、

一斉に花を咲かさないので、残ったつぼみが役割を果たしてくれる。

 

「ソメイヨシノ」は園芸品種なので、時をずらさずして一斉に花を咲か

し一斉に散るので、散り際がよいと称される。それこそが日本人に愛さ

れる所以だが、風に舞うひとひらの花びらに哀しみが見えるのは、そう

した性のせいかも知れない。